このたび熊本県で発生した大きな地震により、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧と、皆様の安全な暮らしが戻ることを心から願っております。
今回の地震は、最大震度7、マグニチュード7.1を記録し、多くの建物やインフラに大きな被害をもたらしました。
私たちは工務店として、このような災害が起こるたびに改めて考えさせられることがあります。それは、「家は家族の命を守る場所でなければならない」ということです。
家づくりでは、デザインや間取り、設備に目が向きがちですが、本当に大切なのは、万が一の災害が起きたときに家族を守れる強さを備えているかどうかです。
最近では、「耐震等級3」という言葉を耳にする機会が増えました。もちろん耐震等級3は高い耐震性能を示す基準であり、とても重要です。
しかし、実は耐震等級3にも取得方法が複数あることをご存じでしょうか。
住宅には「仕様規定」と呼ばれる簡易的な方法で設計されるものと、「許容応力度計算」と呼ばれる詳細な構造計算によって安全性を一つひとつ確認する方法があります。
どちらも耐震等級3を取得できますが、その中身には大きな違いがあります。構造計算とは、建物にかかる力を数値で細かく計算し、安全性を確認することです。
例えば、
・地震の揺れで柱や梁にどれだけ力がかかるのか
・その力に耐えられる部材の大きさになっているか
・壁の配置に偏りはないか
・基礎には十分な強度があるか
こうした一つひとつを数値で確認しながら設計を進めます。つまり、「たぶん大丈夫」ではなく、「計算によって安全を証明する」のが構造計算なのです。
近年の住宅は、
・大きな吹き抜け
・広々としたLDK
・大開口の窓
・ビルトインガレージ
など、開放感を重視したデザインが人気です。
しかし、こうした間取りは耐力壁が少なくなったり、柱や梁に大きな負担がかかったりするため、構造的には難易度が高くなります。だからこそ、デザインと安全性を両立するためには、構造計算が欠かせません。
「かっこいい家」と「地震に強い家」は両立できます。そのために必要なのが、しっかりとした構造設計なのです。
2016年の熊本地震では、大きな前震の後にさらに大きな本震が発生しました。そして今回の熊本地震でも、地震活動が広範囲に及び、今後も強い揺れへの注意が呼びかけられています。
つまり、日本の住宅には「一度の揺れに耐える」だけではなく、「繰り返しの大きな地震にも耐えられること」が求められています。
そのためには、見えない部分である構造にしっかりと投資することが、とても重要なのです。
私たちは、お客様がこれから何十年も安心して暮らせる住まいをつくることを使命と考えています。
家は建てた瞬間がゴールではありません。
10年後、20年後、そして大きな地震が起きたときにも、「この家で良かった」と思っていただけることが本当の価値だと考えています。
そのため、見た目だけでは分からない構造にも徹底してこだわり、一棟一棟、安全性を確認しながら家づくりを行っています。
家づくりでは、キッチンや外観、間取りなど目に見える部分に目が行きがちです。しかし、本当に家族を守るのは、完成後には見えなくなる柱や梁、基礎、そして構造計算です。
今回の熊本での大地震は、改めて「住宅の本当の価値とは何か」を私たちに問いかけています。
家族の命と財産を守るために。そして、何十年先も安心して暮らし続けるために。
これから家づくりを考える皆様には、ぜひ「構造計算が行われている家かどうか」という視点も大切にしていただきたいと思います。
私たちは、デザイン性だけでなく、安全性にも一切妥協しない住まいづくりをこれからも続けてまいります。
