近年、日本では台風や集中豪雨による大雨が増え、「これまで大丈夫だったから、これからも大丈夫」とは言い切れない時代になっています。
小田原市でも、大雨による河川の増水や浸水、土砂災害、強風などへの備えは、これから家を建てる方にとって大切なテーマです。せっかく建てるマイホームだからこそ、デザインや間取り、性能だけではなく、「自然災害から家族と住まいをどう守るか」という視点も、家づくりの段階から考えておきたいものです。
今回は、小田原で木造住宅を建てる皆さまに向けて、台風や大雨からマイホームを守るために考えておきたいポイントをご紹介します。
家を建てる土地は重要
家づくりで最初に考えたいのが、「どんな場所に家を建てるのか」ということです。どれだけ丈夫な家を建てても、土地の場所によっては大雨による浸水や土砂災害などのリスクがあります。
小田原市では、洪水・土砂災害・高潮・津波などの災害リスクを確認できるハザードマップが公開されています。市内を複数の地区に分け、それぞれの地域について災害リスクを確認できるようになっています。土地を購入してから「こんなリスクがあるとは知らなかった」とならないためにも、土地探しの段階からハザードマップを確認することが大切です。
特に、河川に近い土地、周囲より低くなっている土地、急傾斜地に近い土地、過去に浸水したことがある地域などでは、土地の高さや道路との高低差、排水計画なども含めて検討する必要があります。
家づくりは「どんな家を建てるか」だけではありません。「どこに建てるか」も、非常に重要な家づくりの一部なのです。
木造住宅は「雨から守る」という考え方が重要
木造住宅にとって、水はできるだけ建物内部に侵入させないことが基本です。屋根、外壁、窓、バルコニーなど、雨が直接当たる部分について、適切な防水や雨仕舞いを考える必要があります。
特に台風や強い雨では、通常の雨とは違い、横殴りの雨になることがあります。そのため、「屋根があるから大丈夫」、「外壁があるから大丈夫」というだけではなく、雨水がどこから入り、どこへ流れていくのかを考えておくことが重要です。
屋根の形状、軒の出、外壁、サッシ、バルコニー、防水、排水などを一つひとつ確認し、建物全体として雨水を適切に処理することが、長く安心して暮らすためにつながります。
窓は「風」と「飛来物」への備えも
台風のときに特に気を付けたいのが窓です。強風によって物が飛ばされ、それが窓ガラスに当たる可能性があります。
小田原市も、台風や大雨の前には窓や雨戸の施錠・補強を確認し、必要に応じて飛散防止フィルムを使用したり、カーテンやブラインドを閉めたりすることを案内しています。新築時には、窓の大きさや配置だけでなく、シャッターや雨戸などを含めて検討することも、台風対策の一つです。
特に大きな窓を採用したい場合には、「この窓は台風のときにどう守るか?」という視点を持っておくと安心です。
開放感のある大きな窓と、防災への備え、どちらかを諦めるのではなく、両方を考えた設計が大切です。
屋外にも「台風対策」があります
家そのものだけではなく、庭や外構にも注意が必要です。普段は便利な自転車、植木鉢、ガーデン家具、物置なども、強風時には飛ばされる可能性があります。
小田原市も、風で飛ばされそうなものは固定するか、家の中へ収納することを勧めています。また、側溝や排水口を掃除して、水はけを良くしておくことも重要です。
新築時には、雨水がどこへ流れるのか、敷地内に水がたまりにくいか、排水口の位置は適切か、庭やアプローチの勾配はどうするか、室外機などをどこに設置するか、といったことまで考えておくとより安心です。
家を建てるときは、建物だけではなく「敷地全体」を一つの住まいとして考えることが大切なのです。
「浸水しない家」ではなく「浸水リスクをどう減らすか」
ここは非常に重要なポイントです。自然災害に対して「絶対に大丈夫」という住宅をつくることはできません。だからこそ、「どのような災害が想定されるのか」、「その可能性をどう減らすのか」、「万が一のとき、家族はどう行動するのか」という考え方が重要になります。
例えば、土地の状況によっては、床の高さを考えたり、設備の設置位置を検討したり、浸水リスクのある場所に重要な設備を集中させないなど、設計段階からできる対策があります。土地の条件に合わせて、一つひとつ考えていくことが大切です。
「災害が起きてから」ではなく「家を建てる前」に考える
台風や大雨への備えというと、防災グッズや非常食を思い浮かべる方も多いと思います。もちろん、それも大切です。しかし、住宅に関しては「家が完成してから考える」のではなく、「家を建てる前から考える」ことができます。
例えば、土地の災害リスクを確認する、敷地の高さや周辺環境を確認する、雨水の排水計画を考える、屋根・外壁・窓などの雨仕舞いを考える、必要に応じてシャッターなどを検討する、完成後の点検やメンテナンス方法を確認する。このように、家づくりの最初から防災を一つのテーマとして考えておくことが重要です。
「強い家」は構造だけで決まるものではありません
住宅の安心を考えるとき、「地震に強い家」という言葉をよく耳にします。もちろん地震への備えは重要です。しかし、長く安心して暮らすためには、地震だけではなく、台風、大雨、強風、浸水、土砂災害など、地域で考えられるさまざまなリスクを総合的に考えることが必要です。
さらに、建物を丈夫につくるだけではなく、屋根・外壁・窓・防水・排水・設備などを含めて、家全体を考える必要があります。
家は完成した瞬間がゴールではありません。そこから何十年と家族の暮らしを支えていくものだからこそ、「建てた後も安心して暮らせる家」という視点が大切なのです。
小田原で家を建てる私たちだからこそ
私たちは、小田原を中心に地域の皆さまの家づくりに携わる地元の工務店です。地域で家を建てるからこそ、その土地の気候や環境、暮らし方を考えながら、一軒一軒の家づくりを行うことが大切だと考えています。
小田原市は地域によって、海に近い場所、河川に近い場所、山に近い場所など、周辺環境が異なります。だからこそ、「小田原だから、この仕様にすれば大丈夫」という一つの答えがあるわけではありません。建てる場所によって、考えるべきことは変わります。
私たちが大切にしているのは、デザインや間取りだけではなく、その土地でご家族が長く安心して暮らせる住まいを一緒に考えることです。
家族を守る家づくりは、特別なことではありません
台風や大雨は、いつ起こるか正確に予測することはできません。だからこそ、日頃から準備しておくことが大切です。小田原市も、ハザードマップによる災害リスクの確認、避難場所や避難経路の確認、災害時の情報入手方法の確認などを呼びかけています。
そして、家づくりにおいても同じです。「どんな暮らしをしたいか」を考えることと同じように、「もし大雨が降ったら?」、「強い台風が来たら?」、「この土地で想定される災害は何か?」と考えてみる。それだけでも、家づくりの見方は大きく変わります。
マイホームは、家族が安心して暮らし、人生を楽しむための大切な場所です。だからこそ、デザイン、快適性、性能だけではなく、「災害から家族と住まいを守る」という視点も大切にしたい。これから小田原で家づくりをお考えの方は、ぜひ土地選びや間取りの相談と一緒に、台風や大雨への備えについても考えてみてください。
私たち地元の工務店だからこそできること。それは、地域の環境を知り、一つひとつの土地とご家族の暮らしに合わせて、長く安心して暮らせる住まいを一緒につくっていくことだと考えています。
「建てて終わり」ではなく、「建てた後も安心して暮らせる」。そんな家づくりを、私たちは大切にしています。^^

