家の打合せが進み、間取りが決まってくると、いよいよ契約のタイミングです。ここでよく出てくるお話しが「値引き」です。家を契約する時に値引きをしてもらうのは確かに嬉しいですが、果たしてそれが本当にお得なのでしょうか。
そこで今回は、家の値引きにスポットをあて、どのような仕組みで値引きができるのか?また値引きされるパターンやタイミングについてお伝えをしていきたいと思います。
値引きのタイミング
住宅会社や工務店にとって、契約というのはお客様が検討されている数社の中なら自社を選んでいただくという意味でも、一つの大きな区切りのタイミングになります。契約後に解約をして、他の会社で家を建てることも可能ですが、契約金を放棄する必要があったり、解約までにかかった実費の請求があったりと、解約のハードルは高いです。
ですから通常、一度契約するとほとんどの場合はその会社で家づくりを進めるということになります。「値引き」のお話しが出てくるタイミングは、お客様に最終決断をしていただく意味でも、工事請負契約前というのが一番多くなります。
値引きは本当に得なのか?
車のように、ある程度の仕様が決まっていて、その定価が決まっている商品であれば、定価から〇〇〇万円引きなどと非常に分かりやすいため、単純に値引き額を比較することで、どの会社で購入すれば金額的にお得かがわかります。
しかし家の場合、各社で仕様が違ったり、間取りが違ったりと明確な定価が存在しないため、各社の比較が非常にしづらく、本当にお得なのか疑問に感じられる方もいらっしゃると思います。
例えば、同じ100万円の値引きをしてもらえるというお話しでも、住宅会社や工務店、ハウスメーカーが利益を削って値引きをする場合もありますし、逆に通常の見積りに最初から100万円を上乗せして提示し、そこから値引きをしたように見せれば、住宅会社や工務店、ハウスメーカーとしては痛くもかゆくもありません。
もちろん、契約をいただくために利益を削って大幅な値引きをするという場合もありますが、実際のところは住宅会社や工務店にしか分からないので、どうしても疑問に感じることも多いと思います。
値引きのパターン
住宅の値引きについての考え方は、住宅会社や工務店により考え方が異なります。大きく分類すると、①最初に提示した住宅価格から、値引きを一切しない会社(最初に値引きを含めた価格を提示する会社も含む)、②担当者や上司の裁量により数十万円程度の値引き対応をする会社、③打合せの後半に100万単位の値引きをする会社の3つに分けられます。
①値引きを一切しない会社は、最初に提示した見積りから値引きをしない訳ですから、非常に分かりやすいです。値引きをしない理由としては、お客様によって値引きをしたり、しなかったりというのはフェアでないし、競合他社との値引き競争に巻き込まれないためにも、最初から限界価格を提出するという意図があります。
②担当者や上司の最良により数十万円程度の値引き対応をする会社は、各営業所の業績なども考慮して、ケースバイケースで対応していくという方針です。どちらかと言えば、値引きありきではなく、ここぞという時の切り札的な意味が強いです。
③打合せの後半に、100万円単位の値引きをする会社は、値引きが常習化していて、今月末までにご契約をいただければ・・・とか、キャンペーン期間中に限り・・・という表向きの理由付けはあるものの、年中、何かのキャンペーンをしていたり、月半ばを過ぎるとお客様の背中を押す意味で、100万円単位の値引きを行うことで、一気に契約に漕ぎつけようという意図があります。
例外的に、100万円相当のオプションをプレゼントという方法でお得感を出そうとする会社もありますが、多くの場合、もともとオプション商品は、会社ごとに価格が設定されていて、その総額の100万円分をプレゼントするという企画になりますので、純粋に100万円が値引きされているかどうかは、わかりづらくなります。
まとめ
家は高い買い物ですから、少しでも価値の高い家を、より安く購入したいという気持ちは誰にでもあるものです。しかし家づくりのパートナーは、家づくりが終わったあとも長くお付き合いが続くということも踏まえ、目先の値引きに惑わされることなく、会社、担当者、価格、仕様などを総合的に吟味して決定していくようにしたいですね。