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「住宅ローン控除」の落とし穴

勝彦 Katsuhiko

令和4年度税制改正で、控除率が1.0%から0.7%に下がったことが騒がれていますが、注目すべき部分は別にあります。それは、令和6年以降の「その他の住宅」です。要件を満たしていない住宅は、借入限度額は0円、つまり住宅ローン控除の対象外となってしまいます。

令和7年12月31日まで期間延長へ

住宅ローン控除の適用期限は令和3年(2021年)までの入居とされていましたが、令和7年(2025年)までと、4年間延長されました。

期間が延長された理由は、新型コロナウイルスで落ち込んだ経済回復のためとされています。住宅ローン控除の延長により、住宅購入や支出が喚起されることも狙いとなっています。

また、 今回の改正においては、2050年カーボンニュートラル実現の観点から、省エネ基準に適合した住宅を対象に借入限度額が拡充されることになりました。

控除率は0.7%に縮小へ

今回の改正で、今まで1%だった控除率が0.7%になりました。新築住宅も中古住宅(既存住宅)も一律で0.7%です。

控除率が縮小された原因は、住宅ローンの低金利によって生じている「逆ざや」を解消するためです。逆ざやとは、住宅ローン控除の控除率が金利を上回った場合、支払利息より還付金の方が多くなる現象です。従来の住宅ローン控除は控除率1%で、住宅ローンの金利よりも控除率が高い状態だったため、逆ざやが発生していました。

現在の控除率は年末の住宅ローン残高の0.7%なので、金利が0.7%以下のローンを組めば支払利息より還付金の方が多くなる計算です。

今回の改正で控除率が下がったので不満の声も多くありますが、「今までの控除率が低すぎたから妥当」という意見もあるようです。

とはいえ、近年はネット銀行などが超低金利の住宅ローンを扱うようになり、変動金利では0.7%を下回ることも珍しくありません。逆ざやは完全に解消されたわけではないですが、控除率が0.7%に縮小されたことで多少抑制されていくかもしれません。

利用者の所得制限

改正前の所得制限は「所得3,000万円以下」でしたが、改正後は「所得2,000万円以下」に引き下げられました。

なお、40㎡以上50㎡未満の物件は、所得制限は1,000万円以下でなければ住宅ローン控除は受けられません。これには、高所得者が小規模マンションを投資用に購入することを防ぐ目的があります。

令和6年から「その他の住宅」は住宅ローン控除の対象外へ

令和5年(2023年)12月31日までに建築確認を受けた住宅、または登記簿上の建築日付が令和6年(2024年)年6月30日以前の住宅については、借入限度額2,000万円、控除期間10年間として住宅ローン減税が適用されますが、それ以外は適用対象外となります。

日付が2024年6月30日以前の住宅については、借入限度額2,000万円、控除期間10年間として住宅ローン減税が適用されます

※2 令和5年(2023年)年までに新築の建築確認がされている場合

全体的に金額が減っていますが、注目すべきは、やはり2024・2025年の一般住宅です。住宅ローン控除借入限度額が0円になっていますね。これはつまり、住宅ローン控除を受けられないということです。

まとめ

今回の住宅ローン控除の改正で、控除率ばかり注目している方が多いですが、もっと問題なのは、令和6年(2024年)、「その他の住宅」は住宅ローン控除を受けられないということ。今は0.7%よりも低い金利の住宅ローンは多々ありますから、控除率1.0%が0.7%に下がった程度、大きな問題ではありません。

繰り返しにはなりますが、令和5年(2023年)12月31日までに建築確認を受けた場合と、登記簿上の建築日付が2024年6月30日以前の住宅については、控除期間は10年、借入限度額は2,000万円になるのです。

ギリギリになると駆け込み需要が増加して希望の家を買えない可能性も高くなります。迷われている方、お急ぎください。

勝彦 Katsuhiko
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この記事を書いた人
勝彦 Katsuhiko

はじめまして、家づくりアドバイザーの蓬田(よもぎた)です。
実は私もココ江原工務店で家づくりをしました。(OBです!)
江原工務店で家づくりを経験した私だからこそ江原工務店の良さを皆さまにしっかりお伝えできると思います。
皆さまの家づくりを全力でお手伝いしていきたいと思っておりますので家づくりでお悩みの方、ぜひご相談をお待ちしております!!

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