家事の中でも日々の洗濯はお天気にも左右されるため、特に共働きのご夫婦にとってはバルコニーやベランダ、庭という外に干すのか、それとも部屋干しにするのかは悩ましいところです。
バルコニーとベランダの違いや、ライフスタイルの違いにより、家づくりをされる方がどのように考え、設置する・しないを決めているのかをご紹介したいと思います。
バルコニーとベランダの違い
そもそもバルコニーとベランダの違いとは何なのでしょうか? バルコニーとは屋根がなく、2階以上に設置されていて手すりの付いているスペースのことです。
通常、ベランダよりバルコニーの方が広いスペースであることが多いです。また1階部分のせり出した上部に作られたバルコニーのことを、ルーフバルコニーとも呼んだりしますね。ちなみに1階に設置された屋根のないスペースをテラスと呼ばれることが多いです。
次にベランダですが、外部に設置された屋根があって歩行可能なスペースで、洗濯物やお布団を干したりするスペースのことです。何だかよく似ていますね。大きな違いは、屋根があるのか、ないのかというところだと言えます。
最近では、2階部分に広めのバルコニーを設置して、大屋根をかけてインナーバルコニーなんて呼び方もします。間取りのご希望をお聞きする時には、どのような言葉で表現されたとしても「屋根は必要ですか?」とお聞きするようにしています。
最近の傾向
ご夫婦共働き世帯ではマイホームを持つまでは、通勤に便利な駅に近いエリアで賃貸アパートやマンション暮らしという方が多い傾向にあります。基本的に洗濯物は部屋干しというご家族が多い印象です。また花粉症やPM2.5などの影響で、安心して外で干せないというご家族もいらっしゃいます。
また賃貸暮らしの時期は、お子さまも小さく個室が不要なため、寝室とは別の一部屋を物干し部屋として使っているという声もよく聞きます。
間取りの検討段階
ここ2年~3年の傾向として、基本的に洗濯物は部屋干ししかしないため、バルコニーやベランダは不要とおっしゃる方が増えてきています。建物の費用としてバルコニーやベランダを作るのと、部屋を大きくするのとでは正直なところ、ほとんど同じ費用が掛かります。考え方によってはバルコニーやベランダを作るのではなく、そのスペースを部屋内に取り込み、室内干しスペースを設けるというご家族が非常に多くなっています。
もちろん、お布団を干す時に困るというお声もありますので、必要最小限のバルコニーだけを設置するというケースもあります。
日射取得
インナーバルコニーやベランダを設置する場合の注意点として、日射取得の検討があります。このような屋外のスペースに洗濯物やお布団を干す場合、その多くは日当たりの良い位置に設けることが多いです。そのため屋根を深くかけてしまうと、その部分からの日射が見込めなくなり、エコ住宅で大切な日射取得量が減ってしまう可能性があります。
深く屋根がかかっていると洗濯物を干しっぱなしにしても、少々の雨では濡れないというメリットはありますが、日射取得という視点からは深い屋根というのはデメリットになります。
まとめ
バルコニーやベランダを設置する・しないについては、「これが正解!」というものはなく、それよりも設置した時の防水メンテナンスや日々の暮らしでどのように利用しようと考えているのかをご家族で話し合うことが重要になります。憧れだけで年に数回の利用目的のないバルコニーやベランダを設置するというのは、考えものかも知れませんね。